俺の地元には、決して入ってはいけない場所がある。
町の外れにある、古びた神社の裏手。
そこには崩れかけた鳥居が立ち、「立入禁止」の看板が掛けられている。
だが、それだけではなく——
「この先で"狐の窓"を作るな」
そんな奇妙な警告も書かれていた。
「狐の窓?」
調べてみると、狐の窓とは人差し指と親指を丸く繋げて片目で覗くと、普通は見えないものが見えるという、古くからの言い伝えだった。
「なんだそれ、都市伝説みたいなもんだろ?」
好奇心を抑えられず、俺と友人の高木は、その立入禁止の場所へ足を踏み入れることにした。
そして——俺たちは、"見てはいけないもの"を見てしまった。
目次
神社の裏の異変
夜の10時過ぎ。
俺たちは神社の裏手にある、"立入禁止"の場所へと向かった。
「……ほんとに何かあるのか?」
崩れかけた鳥居の先には、鬱蒼とした森が広がっている。
普通ならここで引き返すべきだった。
しかし、高木がニヤリと笑い、ふざけた口調で言った。
「じゃあ試してみようぜ。"狐の窓"ってやつ」
そう言って、人差し指と親指で輪を作り、片目を覆う。
「おい、バカやめろよ……」
しかし——
「……うわっ!!」
突然、高木が手を離し、驚愕した表情を浮かべた。
「どうした!? 何が見えたんだよ?」
「……鳥居の向こう、普通に見てる時は何もなかったのに、狐の窓で覗いたら——」
「覗いたら?」
「……ずらっと、白い狐面をつけた"何か"が並んでた」
見てはいけなかったもの
「嘘だろ?」
俺も恐る恐る"狐の窓"を作り、片目で覗いてみた。
——その瞬間。
「うわっ……!!」
俺の視界の中、鳥居の先には無数の白い狐面がこちらをじっと見つめていた。
体は黒い影のようで、顔だけが異様に白く浮かび上がっている。
そして——
一つだけ、ゆっくりとこちらへ向かってきた。
「やばい……やばい!!」
俺はすぐに手を下ろした。
狐の窓を解けば、何も見えない。
だが、気配だけはまだそこにあった。
「おい、逃げるぞ……!」
高木と俺は必死で走った。
その時——
背後から、はっきりと囁き声が聞こえた。
「……見つけた」
翌日
翌朝、俺は高木に電話をかけた。
だが——
「現在、この番号は使われておりません」
「……は?」
何度かけても、同じアナウンスが流れる。
家を訪ねても、高木の両親は不思議そうな顔をした。
「そんな子、うちにはいませんが……」
「え? いや、俺の友達で——」
「お間違いでは?」
——まるで、最初から高木という人間が存在しなかったかのように。
信じられず、俺は昨日の場所へ向かった。
そして、崩れた鳥居の前に立った時——
昨日はなかったはずの白い狐面が、地面に落ちていた。
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