目次
序章:謎のメール
会社員の 藤井直也(ふじい・なおや) は、昼休みにスマホをチェックしていた。
すると、見慣れないメールが届いていた。
「おめでとうございます!特別キャンペーンに当選しました!」
「……なんだこれ?」
差出人は「ユメミルキャンペーン事務局」。
聞いたことがない会社だった。
「迷惑メールか?」
そう思ったが、メールの本文には、こう書かれていた。
「あなたの生活を劇的に変える特別な体験を、完全無料でご提供します!」
「キャンペーンに申し込んだ覚えがない? それもそのはず、
これは“あなた専用”の特別なご招待です。」
「今すぐ“この世界”を体験しましょう!」
メールの最後には、「参加する」 と書かれた青いボタン。
「……怪しいな。」
普通なら無視するところだが、何となく気になってしまった。
冗談半分で、直也はボタンをタップした。
—— その瞬間、視界が真っ白になった。
第一章:変わってしまった世界
「……ん?」
気づくと、直也は会社のデスクに座っていた。
(……昼休みのはずなのに?)
なぜか時間が巻き戻ったような感覚。
そして、デスクの上に置かれた書類を見て驚いた。
「……これ、昨日終わらせたはずのやつだよな?」
周囲を見回すと、同僚たちは普段通り仕事をしている。
だが、どこか違和感があった。
全員が、わずかに表情を崩さず動いている。
(……まるで、ロボットみたいだ。)
さらに、奇妙なことに気づいた。
PCのデスクトップに「ユメミルキャンペーンに参加中!」というポップアップが表示されている。
「え……?」
この世界、さっきのキャンペーンのせいで変わったのか?
第二章:理想の世界?
「直也くん、お疲れさま!」
振り向くと、ずっと片想いしていた同僚の 小川紗季(おがわ・さき) が笑顔で立っていた。
「今日、仕事終わったらご飯行かない?」
「……え?」
彼女とは今まで挨拶する程度の仲だった。
「もしかして……俺の望みが叶った?」
試しに、心の中で「今日は残業したくない」と強く願ってみた。
すると——
「今日は定時で帰っていいぞ、藤井。」
上司が突然そう言った。
「マジかよ……。」
この世界は、自分にとって都合が良いように作り変えられている。
「……悪くないかもな。」
第三章:違和感の正体
「この世界、最高じゃん……。」
直也は夢のような生活を満喫していた。
・仕事はスムーズに終わる
・誰からも好かれる
・宝くじも当たる
だが、数日経つうちに、違和感が大きくなってきた。
まず、街の人々がいつも同じ行動をしている。
・コンビニの店員は、毎回全く同じ動作で商品をスキャンする
・同僚たちの会話が毎日同じ内容
・道を歩く人々が全員、笑顔のまま動かない時がある
「……この世界、本当に俺のために作られたものなのか?」
そう思った矢先、PCの画面に新しいメッセージが表示された。
「ユメミルキャンペーンの参加期限が近づいています。」
「終了する場合は“戻る”を選択してください。」
そして、選択肢は二つ——
「この世界を続ける」
「元の世界に戻る」
(戻る……?)
一瞬迷ったが、違和感が強すぎる。
直也は「元の世界に戻る」をクリックした。
—— その瞬間、視界が暗転した。
エピローグ:戻れなかった世界
「……!」
直也はベッドの上で目を覚ました。
(……夢だった?)
スマホを見ると、ユメミルキャンペーンのメールは消えていた。
「……なんだったんだ?」
安心して顔を上げた瞬間——
部屋の壁に、見慣れないポスターが貼られていた。
《ユメミルキャンペーン開催中!》
そして、ポスターにはこう書かれていた。
「この世界を終わらせる方法はありません。」
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