目次
序章──決して入ってはいけない部屋
大学生の田中翔太は、家賃の安さに惹かれ、古びたアパートに引っ越した。
築50年以上の木造アパート。
だが、翔太が借りた部屋には一つだけ奇妙な点があった。
──部屋の奥に、鍵のかかった扉がある。
「ここ、何の部屋なんですか?」
契約時、不動産会社の担当者に尋ねると、
「そこは……開けないでください」
とだけ言われた。
翔太は不気味に思ったが、特に気にしなかった。
「ま、関係ないしな」
そう思っていた。
だが、その扉の存在が、やがて彼の生活を狂わせていく。
第一章──禁断の扉の向こう
引っ越してから数日。
翔太は、深夜になると扉の向こうから微かな音がすることに気づいた。
──コツ……コツ……
まるで、向こう側で誰かが歩いているような音。
「……隣の部屋の音か?」
しかし、このアパートの間取りでは、その扉の向こうに部屋はないはずだった。
「じゃあ……何の音だ?」
不安になりながらも、翔太はそのまま眠りについた。
しかし、翌朝。
目を覚ますと、扉の鍵穴から覗かれている気配がした。
「……気のせい、だよな?」
そう思いながらも、翔太の中である考えが浮かんでしまった。
「……この扉の向こう、何があるんだ?」
第二章──開けてはいけなかった
それから数日後。
翔太はついに扉の鍵をこじ開けることを決意した。
「どうせ倉庫か、昔の押し入れだろ?」
ドライバーを使い、古びた鍵を無理やりこじ開ける。
──カチャン
鍵が外れ、扉がゆっくりと開いた。
しかし、その先には予想外の光景が広がっていた。
暗闇が続く階段。
「……地下?」
そんなはずはない。
このアパートに地下室などないはずだ。
しかし、確かに階段が続いている。
翔太は恐る恐る足を踏み入れた。
第三章──階段の下の世界
階段を降りると、そこには全く別の部屋が広がっていた。
天井の低い空間。
壁一面に貼られた無数の写真。
その写真に写っているのは──
歴代の住人たちの顔。
「……何だこれ?」
よく見ると、写真の中には、翔太がこの部屋に入る前に契約しようとした前の住人の写真もあった。
「アイツ、行方不明になったって聞いたけど……」
その写真には、赤いペンで「終了」と書かれていた。
そして、一番手前に並べられていたのは──
自分の写真。
「……なんで?」
その瞬間、翔太の背後で扉が閉まる音がした。
──ギィ……バタン。
振り返ると、そこには黒い影のような存在がいた。
影はゆっくりと近づき、かすれた声で言った。
「次は……お前の番だ」
終章──禁断の部屋のルール
それから数日後。
不動産会社に、ある男が部屋の契約をしに来た。
「この部屋、安いですね」
担当者は微笑みながら答える。
「少し古いですが、特に問題はありませんよ」
男は部屋の間取りを確認しながら尋ねた。
「奥の扉、これって?」
担当者は、一瞬だけ表情を曇らせたが、すぐにいつもの笑顔に戻った。
「そこは……開けないでください」
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