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禁断の扉──開けたら戻れない場所 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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廃校の噂

俺の地元には、数十年前に閉鎖された廃校がある。

小さな山の中にぽつんと残されたその学校は、今では誰も訪れず、朽ち果てるのを待つだけの存在だった。

しかし、そこには奇妙な噂があった。

「校舎の奥に、絶対に開けてはいけない扉がある」

その扉を開けた者は、二度と戻ってこないと言われていた。

「どうせただの都市伝説だろ?」

そう思った俺たち4人は、ある夜、肝試しを兼ねて廃校へ向かった。

……あの時、俺たちは引き返すべきだった。

校舎の奥へ

廃校の門は錆びつき、雑草が生い茂っていた。

懐中電灯を頼りに校舎に入ると、そこは時間が止まったように静かだった。

「うわ、ボロボロだな……」

床は抜けかけ、壁の一部は崩れ落ちている。

だが、それよりも気になるのは異様な臭いだった。

生乾きのカビ臭さの奥に、何かが腐ったような……そんな臭いが微かに漂っていた。

俺たちは奥へ進んでいった。

そして——

ついに、それを見つけてしまった。

「禁断の扉」

廊下の突き当たりに、一枚の扉があった。

それは他の扉と違い、異様に真新しく、そこだけ時間が止まっていないように見えた。

だが、何より異様だったのは、扉にべったりと貼られた紙。

「禁断」

それだけが、大きく赤い文字で書かれていた。

「……これが噂の扉か。」

友人のタカシが手を伸ばそうとする。

「おい、やめろよ。」

マサキが止めるが、タカシはニヤリと笑った。

「怖いのかよ? ただのデマだろ。」

そう言いながら、タカシは扉を開けた。

次の瞬間——

「……開いちゃった。」

誰かの声がした。

俺たちは息をのんだ。

扉の向こうには、真っ暗な階段が続いていた。

「地下……?」

学校に地下室があったなんて聞いたことがない。

だが、その闇の奥から——

何かが這い上がってくる気配がした。

何かが近づいてくる

「やばい、閉めろ!!!」

マサキが叫び、俺たちは扉を閉めようとした。

しかし、何かが扉を押さえつけている。

「……開けたね……」

女の囁き声が、階段の奥から聞こえた。

そして——

「見つけた」

次の瞬間、扉の奥から無数の手が伸びてきた。

俺たちは悲鳴を上げながら、全力で扉を押さえた。

「閉めろ!! 閉めろ!!!」

必死に力を込めると、バンッ!!という音とともに扉が閉まった。

「はぁ、はぁ……」

俺たちは放心状態でその場に座り込んだ。

……だが、異変は終わっていなかった。

消えた友人

「おい、タカシは!?」

振り向くと——

タカシがいなかった。

「……さっきまでいたよな?」

「嘘だろ……」

俺たちは校舎中を探し回った。

だが、タカシはどこにもいなかった。

最後に俺たちが見たのは——

「禁断」の扉が、わずかに揺れている光景だった。

まるで、何かが中からノックしているように。

俺たちは震えながら校舎を飛び出した。

それ以来、タカシは行方不明のままだ。

警察の捜査でも、何の手がかりも見つからなかった。

そして、また開く

俺たちは二度と廃校に近づかないと誓った。

……しかし、事件から1年後。

俺のスマホに、非通知の着信があった。

恐る恐る画面を見ると、たった一言のメッセージが届いていた。

『次は、お前の番』

俺はスマホを落としそうになった。

しかし、それ以上に恐ろしかったのは——

俺の部屋のクローゼットの扉が、少しだけ開いていたことだった。



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