目次
フリマで見つけた人形
俺は古いおもちゃを集めるのが趣味で、休日にはフリーマーケットやリサイクルショップを巡ることが多い。
ある日、近所のフリマを回っていると、妙に気になる人形を見つけた。
それは、黒いボタンの目をした小さな女の子の人形だった。
「いくらですか?」
売り主の老人は、なぜか少し戸惑った様子で答えた。
「……500円でいいよ」
妙に安い。
レトロな作りの割に、特に汚れもなく状態は良かった。
「いいんですか?」
俺がそう聞くと、老人はボソリと呟いた。
「持っていくのは自由だけど、"遊んじゃダメ"だよ……」
その言葉が妙に引っかかったが、俺は気にせず購入した。
おもちゃの異変
家に帰り、さっそく人形を棚に飾った。
「なかなか雰囲気あるな……」
しかし、その夜——
カタ……カタ……
物音で目が覚めた。
「……風か?」
棚の方を見ると、人形が倒れていた。
「あれ? さっきちゃんと立てたはずなのに……」
不思議に思いながらも、元に戻して寝た。
しかし、翌朝——
人形がベッドの枕元にあった。
「……え?」
そんなはずはない。
俺は確かに棚に置いたはずだ。
不気味に思いながらも、そのまま放置した。
だが、その夜から——
奇妙な夢を見るようになった。
人形の夢
夢の中で、俺は暗い部屋に立っている。
目の前には、あの人形とそっくりな少女がいた。
「ねえ、遊ぼうよ」
その声を聞いた瞬間、背筋が凍った。
少女は、まるで人形のように不自然な動きをしながら、じりじりと近づいてくる。
「……やだ、逃げなきゃ」
そう思ったが、体が動かない。
少女はニヤリと笑い、俺の手を掴んだ。
「もう、遊んじゃったね」
——そこで目が覚めた。
冷や汗がびっしょりだった。
時計を見ると、深夜3時。
枕元には——あの人形が転がっていた。
人形の正体
さすがに怖くなり、翌日、俺は人形を買ったフリマの会場へ向かった。
しかし——
あの老人はどこにもいなかった。
「そんな売り主、最初からいなかったよ」
別の店主がそう言う。
「でも、俺は確かにここで買ったんです!」
そう訴えると、別の客が思い出したように口を開いた。
「ああ、それってもしかしてあの“呪いの人形”のことか?」
詳しく聞くと、その人形は昔から持ち主を変えながら現れるものらしい。
ある日、誰かの家に現れ、「遊んでくれる人」を探し続ける。
遊んでしまうと——もう手放せなくなる。
そして最後には——
「……次は、あんたの番かもな」
俺は血の気が引いた。
すぐに人形を捨てようと決意し、遠くの川へ投げ捨てた。
「これで終わりだ……」
そう思った。
それは、また戻ってくる
しかし、その夜——
俺は再び同じ夢を見た。
暗闇の中、少女がニヤリと笑いながら立っている。
「もう、遊んじゃったんだから……」
目を覚ました俺は、震えながら布団をめくった。
そこには——
あの人形が、じっとこちらを見上げていた。
そして、その口元がわずかに動いた。
「ねえ、もっと遊ぼうよ」
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