目次
深夜のチャレンジ
高校2年の夏休み、俺たち4人は、ある噂を聞きつけた。
「午前2時に“ある方法”でかくれんぼをすると、この世のものじゃない“鬼”が来るらしい」
SNSで出回っていたいわゆる“危険な遊び”の一種だった。
普通なら笑い飛ばして終わる話だ。だが、俺たちはちょっとした肝試し感覚で、その遊びをやってみることにした。
舞台に選んだのは、郊外にある廃屋。もう何年も使われていない元民家だ。
俺たちはスマホの光を頼りに、夜の2時に現地に集合した。
「本当にやるのか?」
「ただの都市伝説だろ。ビビってんのかよ」
そう言って、俺たちはルールに従って“かくれんぼ”を始めた。
危険なルール
ルールはこうだ:
午前2時ちょうどに、鬼役の人が「もういいかい」と呟く。
鬼は目を閉じたまま10数えてから探し始める。
かくれんぼの最中、絶対に音を立ててはいけない。
見つかったら「見つかった」と鬼に耳元で言われる。
最後の一人が見つかると、鬼はその一人を“連れていく”。
……冗談のような内容だったが、実際に始めると、空気が異様に張り詰めているのを感じた。
鬼役は俺。
廃屋の中央で目を閉じ、「もういいかい」と呟いた。
どこからか、かすかに笑う声が聞こえた気がした。
誰を見つけたのか
「……10」
目を開けて探し始める。
廃屋は思ったより広く、古びた家具や柱の陰が多い。
押し入れを開けると、まずヒロを見つけた。
「お前、見つかるの早すぎ」
笑いながら次を探す。
タクミは階段の裏に、ユウジは仏間の奥に隠れていた。
全員を見つけたはずだった。
3人全員。
……なのに——
「最後のひとり、みーつけた」
突然、俺の耳元で女の声が囁いた。
「え……」
振り向いたが、そこには誰もいない。
「誰だ、今の……」
鳥肌が止まらなかった。
“誰か”が来ていた
外に出て、4人で顔を見合わせた。
「おい、さっきの声、誰か聞いたか?」
「何言ってんだ、そんな声なんて——」
「最初に見つけたのは誰?」
「ヒロ、お前だろ」
「俺、ずっと屋根裏にいた。誰にも見つかってない」
「……じゃあ、俺が見つけた“ヒロ”は……」
俺たちはその場で凍りついた。
屋根裏にいたのは誰だった?
消えた最後の一人
それから数日後、ユウジが学校に来なくなった。
家族によれば、夜中に「かくれんぼが終わってない」と言い残し、家を出て戻っていないという。
あの夜の「最後のひとり、みーつけた」は……ユウジだったのか。
俺たちは、その“遊び”を二度と口にしなくなった。
でも今でもふとした瞬間——
暗い廊下や押し入れの隙間から、誰かが見ている気がする。
かくれんぼは、まだ終わっていないのかもしれない。
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