怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

不思議なマウスと、小さな助け 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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~パソコンの中に住んでいる、優しい誰かの話~

見たことのないマウス

大学生の陽菜(ひな)は、中古のパソコンショップで奇妙なマウスを見つけた。

どこかレトロな形状で、丸っこくて、小さな金の文字で「mousee」と書かれている。

「……なんか、可愛いかも」

値札には「¥100」とだけ書かれていた。

安さと見た目に惹かれて衝動買いし、自宅のノートパソコンに接続してみた。

すると、USBを挿した瞬間、画面の右下に見慣れないアイコンが現れた。

それは、小さなマウスの形をしたキャラクターのようなものだった。

「え、なにこれ? ドライバ?」

試しにクリックしてみると、画面にふわっと表示された文字。

『こんにちは。よろしくね。』

マウスの中の誰か

最初はウイルスかと思い、アンチウイルスソフトを走らせたが、問題は見つからなかった。

しかも、このマウスを使っていると、パソコンの動作がやたら快適になる。

・タイピングミスが自動で修正される
・フリーズしそうになると、勝手に保存される
・迷っているフォルダの中を、カーソルが“案内する”ように動く

まるで——マウスが陽菜の手助けをしてくれているようだった。

画面の隅には、時折こんな言葉が表示される。

『いま、集中してるみたいだから、静かにしてるね。』

『お疲れさま。少し休もう?』

陽菜はふと笑ってしまった。

「なんか……癒されるな」

優しい誰かの手紙

ある日、レポートを書き終え、マウスのアイコンをクリックすると、ふわっと短いメッセージが現れた。

『君が元気だと、私もうれしい。ありがとう。』

そして画面には、手描き風の絵が表示された。

陽菜がパソコンの前で笑っている絵。

傍らには、マウス型のキャラクターがちょこんと座っている。

それを見た瞬間、陽菜の胸がじんわりと温かくなった。

「この子、ずっと見守ってくれてたんだ……」

別れのメッセージ

それから数日後、大学の課題がひと段落ついたある日。

マウスのアイコンが、一度も表示されなかった。

気になって何度かクリックしてみたが、反応はない。

しかし、しばらくすると、画面に最後のメッセージが表示された。

『君の手がもう、迷わなくなったから。
 これで、私の役目はおしまい。
 ありがとう。また、誰かのそばに行くね。』

次の瞬間、アイコンはふっと消え、マウスはただのマウスに戻った。

それでも陽菜の心には、確かに小さな誰かの優しさが残っていた。

そのマウスは、今もどこかで

マウスは、今も陽菜の机の上にある。

ときどき、カーソルが少しだけ“勝手に”動く気がする。

まるで、「ちゃんと見てるよ」と伝えるように。

陽菜はふっと微笑む。

「今日もありがとう」

きっと、またどこかの誰かが、あのマウスの優しさに助けられている。



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