目次
娘の“見えない友だち”
一人娘のアカリは、幼稚園に通う頃から「ミオちゃん」という名前の友だちの話をよくするようになった。
「パパ、今日もミオちゃんと遊んだよ」
「ミオちゃんはね、パパのこと知ってるんだって」
最初は幼い子特有のイマジナリーフレンド(空想の友だち)だと思い、微笑ましく聞き流していた。
だが、ミオちゃんの話が妙に現実的で、しだいに不安を感じ始めた。
「ミオちゃん、パパが昔ここで落とした鍵のことも知ってたよ」
誰にも話していないはずの出来事だった。
ミオちゃんの警告
ある夜、寝かしつけのあとでアカリが言った。
「パパ、ミオちゃんが言ってたよ。明日の夜、パパが行っちゃうって。」
「どこに?」
「パパが知らないところ。だから、明日は気をつけてね、って。」
不思議な話だと思いながらも、翌日の夜は用心して早めに帰宅した。
その夜、通勤に使う電車が人身事故で止まり、もしいつもの時間に乗っていたら事故の車両に自分が乗っていた可能性が高かった。
アカリにそのことを話すと、彼女は当然のように笑った。
「だから、ミオちゃんが教えてくれたの。」
誰の記憶?
ミオちゃんの話は、ますます具体的になった。
「ミオちゃんね、パパの昔のおうちにも行ったことがあるんだって」
驚いた。アカリは、俺が幼い頃住んでいた古い家のことなど、話したことすらないはずだ。
「どうして知ってるの?」
「ミオちゃんは、そこにいたからだって」
——ミオちゃんは、本当に空想上の存在なのか?
見てしまったミオちゃん
ある日、仕事から帰るとアカリがいなかった。家じゅうを探し回ると、裏庭の古い倉庫の前で、小さな靴が揃えて置かれていた。
倉庫の扉を開けた瞬間、背筋が凍った。
アカリが誰かと並んで座っていた。
隣には、白いワンピースを着た少女。
こちらをゆっくり振り返ったが、顔が……ぼやけていた。まるで写真のピントが狂ったかのように。
「……パパ、ミオちゃん、知ってるでしょ?」
アカリは笑って言った。
「パパの子どもの頃の友だちだったんだよ。」
消えない記憶
そういえば——昔、俺も「ミオちゃん」という名前の女の子と遊んでいた記憶がある。
でも、それは空想上の友だちのはずだった。
あの頃、ミオちゃんはいつもこう言っていた。
「大きくなっても、また会えるよ」
アカリの「友だち」は、どうやらずっと俺のそばにいたのだ。
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