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【恐怖体験談】「完成しない絵」──描き手を引き込む呪いのキャンバス 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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美術部の先輩が遺した一枚の絵

高校時代、美術部に所属していた俺の話だ。

部室の奥の壁には、完成させられなかった一枚の絵が飾られていた。

薄暗い森を描いた油絵で、画面の右下にぽっかりと人影だけが塗られていない空白があった。

「これ、誰の作品なんですか?」と先輩に尋ねると、

「卒業した先輩が描きかけたまま、未完成のまま残していったんだよ。仕上げる前に、急に学校を辞めたんだって。」

と、曖昧な答えが返ってきた。

その先輩の話は、みんな何となく避けるように話題にしなかった。

描き足す者の行方

部活の後輩の一人、ナオキはその絵を完成させようとした。

「ちょっと影を足してやれば、すぐ完成するのに。」
そう言って、キャンバスに筆を走らせたナオキ。

しかし、翌日——彼は部室に来なかった。

その日を最後に、ナオキは登校拒否になった。

数日後、彼の家族が部室を訪れたときに、驚くべきことが判明する。

絵の空白だった場所に、人影が描かれていた。

ナオキが最後に塗ったのか? それとも——誰か別のものが?

その人影は、どこかナオキに似ている後ろ姿だった。

絵の中の“影”の増殖

奇妙なことはそれだけでは終わらなかった。

2年ほど経ったある日、美術部の後輩がその絵を修復しようと手を入れた。

結果は同じだった。

修復した翌日、彼も学校に来なくなり、再び絵の中には新しい人影が増えていた。

同じポーズ、同じ位置。ただ人数だけが増えていく。

そして、じっと森の奥を見つめる後ろ姿。

絵の“向こう側”

俺が卒業する直前、最後の美術室掃除で、何の気なしにその絵を見つめていた。

その時ふと気付いた。
新しく描かれた人影たちは、全員がこちらに背を向けている。

だけど——

一番端の影だけは、微かにこちらを振り返っていた。

その顔は、間違いなくナオキだった。

最後の警告

卒業後、美術部の誰もその絵に触れなくなった。
学校自体も数年後、建て替えで取り壊されたと聞く。

だけど、奇妙なのはそれからだ。

俺の夢の中に、あの絵の森が現れる。
そして、ナオキたちの影が、少しずつこちらに近づいてくる。

今夜も、きっと夢の中で——
俺はあの絵の中の森を歩くことになる。



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