目次
【台風の日の異変】
あの日、台風が直撃した夜だった。
都内で一人暮らしをしている高橋悠斗(たかはしゆうと)は、アパートの2階の部屋で暴風雨の音を聞きながら、動画を見ていた。
外はゴウゴウとうなる風と窓を叩く雨音。
ふと、その中に「コン、コン……」と規則正しい音が混じっているのに気が付いた。
(……風のせいかな?)
気にせず動画に集中しようとしたが、音はだんだんと強くなり、やがて「ドン、ドン!」と明らかに何かが窓を叩く音へと変わった。
【窓の外の影】
好奇心半分、不安半分でカーテンをそっとめくってみた。
台風の雨風で何も見えない……はずだった。
しかし、窓のすぐ向こう側に"人の顔"が貼りついていた。
びしょ濡れの髪、真っ白な肌。
じっと悠斗の目を見て、唇が微かに動いていた。
「あけて。」
ゾクリとした。
すぐにカーテンを閉め、鍵がかかっていることを確認した。
(こんな天気で、人が窓の外に? しかも2階なのに?)
【繰り返すノック】
しばらく身動きできずにいると、また窓を叩く音が響いた。
「コン、コン、コン……」
さっきよりも、ゆっくりと。
それはまるで「開けるまで待っている」ような音だった。
恐怖に耐えきれず、スマホで警察へ連絡しようとするが、通話ボタンを押す直前、音が止まった。
静かになった室内。
雨風の音だけが残り、安堵した——その瞬間。
背後のクローゼットから「コン、コン……」とノック音が聞こえた。
【翌日の発見】
気を失うように朝を迎えた。
台風は通り過ぎ、部屋にはいつもの静けさが戻っていた。
(全部夢だったのか?)
そう思いながらカーテンを開けると、窓ガラスの外側に、無数の手形がくっきりとついていた。
——2階の窓の外に。
そして、クローゼットをそっと開けると、濡れた足跡が中から玄関へ続いていた。
台風の日にだけやってくる「何か」。
今年も台風シーズンが始まろうとしている——。
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