目次
忘れられた監視小屋
大学時代、友人のバイトを手伝って山奥にあるダムの管理施設へ行ったときのことだ。
敷地の端には、今は使われていない古びた監視小屋がポツンと建っていた。
小さな木造の建物で、窓ガラスは割れ、壁は黒ずみ、人気の気配はない。
「もう何年も前に使われなくなったらしいよ。監視カメラが主流になったからさ」
友人は軽く言ったが、小屋の前に立つと背筋がぞわっとした。
まるで誰かが、今も小屋の中からこちらを見ているような視線を感じたのだ。
小屋の中
好奇心に駆られて、小屋の中を覗いてみた。
中には古びた監視ノートと、埃をかぶった双眼鏡が置かれていた。
ノートの最後のページには、こう書かれていた。
「今日も見ている。今日も見られている。夜が来るのが怖い。」
ページの端は破れており、記録はそこまでだった。
「変なもん見つけたな……」
ぞっとして小屋を後にした。
夜の異変
その夜、ダム施設の仮眠室で寝ていると、外からカン、カン……カン、カン……と金属音が響いた。
目を覚まして窓の外を覗くと、監視小屋のほうの窓に白い顔がはっきりと浮かんでいた。
だが、小屋には電気もついていない。
人がいるはずがない。
そのまま、顔はすっと窓から消えた。
最後の記録
翌朝、どうしても気になってもう一度小屋に行ってみた。
昨日と違って、監視ノートが開かれていた。
そこには新たな文字が、埃をかぶったページに無理やり書き込まれていた。
「今度はお前の番。」
書きかけた文字の最後は、インクが途中で途切れていた。
振り返ると、窓の外に昨日と同じ白い顔が一瞬見えた。
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