目次
【夜が来るのが怖い少年】
小学5年生の大輝(だいき)には、小さな頃からずっと不思議な癖があった。
日が沈みかけると、決まってソワソワし始め、窓の外をじっと見つめる。
そして必ず母にこう言うのだ。
「ママ、早くカーテン閉めて。夜が来るのが怖い。」
小さな頃の怖がりだと思って、家族はあまり気にしていなかった。
だが大輝は、年齢を重ねても、夜になると怯え続けていた。
【夜になると変わる景色】
ある日、母はふと大輝に尋ねた。
「大輝、夜が来ると、何が怖いの?」
すると、大輝はぽつりと答えた。
「夜になると、家が変わるんだよ。」
母は最初、夢でも見たのだろうと思った。
しかし、大輝は続けた。
「お昼の家と、夜の家は違う。
夜は、僕の知ってる部屋じゃなくなるんだ。」
【不思議な夜の家】
ある晩、母は様子を確かめるため、大輝の部屋にカメラを仕掛けた。
翌朝、録画を確認してみると、深夜2時すぎ——
大輝は布団から起き上がり、寝ぼけたように部屋のドアを開けた。
そして、誰もいないはずの廊下に向かってこう話しかけていた。
「今日は誰の家?」
沈黙。
すると、カメラのマイクに、微かに「キミのじゃないよ。」と、知らない声が入っていた。
【夜が来る理由】
その後も大輝は、夜になるたび同じように怯え続けた。
「夜になると、家が入れ替わるんだよ。
だから、夜が来るのが怖いんだ。」
母はそれが子供の空想だと信じたかった。
だが、ある日——
夜中にトイレに起きた母が廊下に出た瞬間、違和感に気づく。
写真立ての中の家族写真。
そこに写っていた「大輝」の顔が、別人の子供になっていた。
【エピローグ】
朝になり、写真を確認すると、元の大輝の顔に戻っていた。
それから、母も夜が来るのを恐れるようになった。
もしかすると、夜が来るたび、この家は別の家とすり替わっているのかもしれない。
そして、自分も知らぬ間に——別の母親に入れ替わっているのかもしれない。
大輝の「夜が来るのが怖い」という言葉の意味を、母はようやく理解しはじめていた。
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