「子供の頃さ、ずっと思ってたんだ。」
大人になった今でも、時々ふと頭をよぎる。あのとき感じた、夜が来るのが怖い理由。
小学生の頃、特に冬の時期、日が沈み始めると、決まって胸がザワザワした。
部屋の電気をつけて、カーテンを閉めて、布団にもぐりこんで──でも、怖さは消えない。
理由は、毎晩夜8時ぴったりに聞こえる“音”だった。
目次
■1. 不思議な音
夜8時になると、決まってどこからかコツ……コツ……という音が聞こえてきた。
足音のような、何か硬いものを床に落とすような音。
家の外だろうと思っていたが、音はだんだん近づいてきて、やがて部屋のドアのすぐ向こうから聞こえるようになる。
そして、音が止まると、ドアノブがゆっくり回る音がした。
けれど、家族は誰もいない。リビングには両親がいて、廊下には誰も立っていない。
(誰だろう?)
怖くて布団にもぐって目を閉じ、いつの間にか寝てしまう。
そして朝になれば、何事もなかったかのように1日が始まる。
■2. 夜を避ける習慣
中学生になると、その音もぱったり聞こえなくなった。
ただ、夜になると未だにあの時の怖さだけは体が覚えていて、どこかソワソワしてしまう。
「夜が来るのが怖い」という感覚は、大人になっても消えなかった。
■3. 大人になって再び
社会人になり、一人暮らしを始めた最初の冬。
久々に、あの音が戻ってきた。
夜8時ぴったり。
コツ……コツ……
ドアの外から聞こえる足音。
懐かしい恐怖に震えながら、子供の頃のように布団に潜った。
そして朝、何事もなかったかのように仕事へ行き、帰ってくるとポストに一枚の手紙が入っていた。
差出人不明の便箋には、たった一言。
「次は、開けてもいい?」
その日から、毎晩夜が来るのが、前にも増して怖くなった。
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