目次
山の監視小屋
大学時代、山岳サークルの合宿で、とある登山道のふもとにある古びた監視小屋の近くにテントを張った。
その小屋は、もともと山火事や落石を監視するために建てられたもので、今は無人。
昼間見たときも、窓は割れ、ドアには南京錠がかかり、人の気配は全くなかった。
「夜、肝試しにでも行ってみようぜ」
仲間内の軽いノリで、深夜に懐中電灯片手に小屋まで向かった。
小屋の中にいるもの
近づくと、誰もいないはずの監視小屋の窓に、明かりが灯っていた。
「電気……ついてる?」
古い建物で、電線も切れているはずなのに、明かりがゆらゆらと漏れている。
冗談半分に窓を覗き込むと、中には誰かが座っていた。
制服のような格好をした男性。
しかし、顔は影に隠れて見えない。
「こんな時間に……?」
怖くなり、その場から逃げ帰った。
消えない見張り役
翌朝、管理小屋の人に事情を話すと、静かに頷かれた。
「あの小屋ね、昔は見張り役の人が一人常駐してたんだけど、雪崩に巻き込まれて亡くなってるんだよ」
「……でも、昨日は明かりがついてて、人が座ってたんです」
管理人は苦笑いしながら言った。
「今でもたまに明かりがつくことがあるよ。
きっと、見張りの仕事がまだ終わってないんだろうな。」
誰を監視していたのか
帰り際、ふと振り返ると、昼間なのに監視小屋の窓に人影が映っていた。
夜だけじゃなく、日中もそこから誰かがこちらを見下ろしていたのだ。
その瞬間、思った。
見張っていたのは、落石でも火事でもない。
あの夜、監視小屋の中にいた“彼”は、ずっと俺たちを見ていたんだ。
今も、山を訪れる登山者を。
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