就職して間もない頃、俺は安いワンルームのアパートに引っ越した。駅近で家賃も破格だったが、なぜか内見のとき、大家さんが言った。
「夜、寝言が聞こえても気にしないでくださいね。」
意味がわからず、その時は軽く流した。
目次
不自然な寝言
住み始めて数日。深夜、ふと目が覚めた。
「……うん……うん、わかったよ……また、明日ね……」
誰かが寝言を言っている。壁が薄いせいか隣の住人かと思い、再び眠りについた。
だが翌日、隣の部屋はまだ空き室だということを知った。
じゃあ、あの寝言は……?
寝言の会話
数日後、再び目が覚めた。
今度はハッキリと聞こえた。
「……うん、大丈夫。昨日と同じ時間だよ……今、隣にいるよ。」
隣? 隣には誰もいないはずだ。
心臓がドクンと跳ねた。聞き間違いではない。
自分の部屋からだ。寝言を言っているのは、俺自身だった。
けれど、自分には話した記憶がまったくない。
もうひとりの相手
翌朝、スマホのボイスレコーダーをセットし、寝言を確認してみた。
深夜2時過ぎ。録音された音声には、自分の寝言がはっきりと残っていた。
「……うん、今日も隣に来たんだね。わかったよ。次は、こっちに呼ぶんでしょ?」
そのあと、別の声が小さく録音されていた。
「もうすぐだよ。」
俺はひとり暮らしだ。隣の部屋は空室のはず。
引っ越し後も……
怖くなり、すぐに引っ越した。
しかし、新しい部屋に越して数日後——
寝ていると、再び寝言を言っている自分の声で目が覚めた。
「……今度は、ここまで来たんだね。」
隣の部屋が、ノックされる音が聞こえた。
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