目次
夜のイヤホン
会社員の涼介(りょうすけ)は、通勤中や寝る前に音楽を聴くのが日課だった。
ある夜、いつも通りイヤホンを耳に差し込み、スマホでお気に入りの曲を流す。
だが、曲の合間に小さな雑音が混じっていることに気づいた。
「ジ……ジ……」
機械的な音かと思ったが、耳を澄ますと、雑音の奥で誰かがささやいている声がかすかに聞こえた。
「……きこえてる?」
曲を止めても、イヤホンからは雑音が途切れなかった。
雑音の正体
翌日、イヤホンを別のものに替えてみたが、状況は変わらない。
さらにスピーカーでも試すと、今度ははっきりと知らない女の声が混じった。
「……気づいたね……」
友人に相談すると、オカルト好きの友人はこんなことを言った。
「周波数の狭間ってやつだよ。雑音に、“向こう側”の音が混じることがあるんだって。」
雑音の中の呼び声
夜になるほど、その雑音は大きく、明瞭になっていった。
「こっちに、おいでよ……」
誰の声でもない、不気味で甘い誘い。
寝ても夢の中で同じ声が響き、朝になると寝汗で体はびっしょり。
その日から、涼介はイヤホンを使うのをやめた。
だが、イヤホンを外しても耳の奥からの雑音が止まらなくなっていた。
最後の雑音
ある夜、どうしても眠れず、久しぶりにスマホで音楽を流した。
画面をタップしようとした瞬間、スマホが勝手に音楽アプリを終了し、真っ黒な画面に白い文字が浮かんだ。
『やっと聞こえたね』
耳の奥からは、雑音に紛れて別の声が響いた。
「もう、外さなくていいよ。」
翌朝、涼介の部屋は静かだった。
ただ、彼の枕元には、イヤホンが両耳にきつく絡みついたまま転がっていたという。
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