目次
■1. 祖父の秘密
小学生の頃、夏休みになると俺は田舎の祖父の家へ遊びに行っていた。
無口で頑固な祖父だったが、夜になると酒を飲みながら、たまに昔話を聞かせてくれた。
ある晩、酔いが回った祖父がぽつりとこんなことを言った。
「あの山には、絶対近づくなよ。ワシが昔……しでかした場所だからな。」
普段は無愛想なくせに、急に真剣な顔でそう言ったのを、今でもはっきり覚えている。
■2. 禁じられた山
祖父の家の裏手に広がる山は、小さな村では有名な“入ってはいけない場所”だった。
「昔、事故があった」とだけ噂されていたが、詳しい話は誰も教えてくれなかった。
それでも好奇心に負けた俺は、友達とこっそり山に入った。
山道は人が通った形跡もなく、静まり返っていた。
ふと道端の土が不自然に盛り上がった場所を見つけた。
「なんだろう?」
棒で軽く土を掘ると、すぐに古びた人形が顔を出した。
まるで誰かに埋められたような状態だった。
■3. 人形の正体
その晩、祖父に「山で変な人形見つけたよ」と軽い気持ちで話した。
祖父の顔色が、みるみる青ざめていった。
「掘り起こしたのか?」
「うん、少しだけ。」
「……ワシのせいだ。」
祖父は、まるで自分を責めるようにうつむいた。
そして酒をあおりながら、ぽつりぽつりと話し始めた。
「昔な……あの山には、戦争で死んだ村人たちの供養のため、人形を“身代わり”として埋める風習があったんだ。
だが、ワシはそれを面白半分で掘り返して、また埋め直さずに帰ってきた。そしたら……村の人間が、次々とおかしくなった。」
「それって……呪い?」
「ワシがしでかしたせいだよ。あの人形は、死者の“代わり”だったんだ。」
■4. 夜中の足音
その夜、布団の中で眠ろうとした時、家の外からザッ、ザッ、ザッ……と足音が近づいてきた。
だんだん玄関の方へ、そして廊下を通り、俺の部屋の前でピタリと止まった。
「……おい、起きてるか?」
祖父の声だった。
「どうしたの?」
「さっきの人形……もう元に戻せないかもしれん。」
それきり、翌朝、祖父は早朝から姿を消し、裏山で冷たくなって発見された。
遺体のそばには、あの人形がきちんと抱きかかえられていた。
■5. 祖父がしでかしたことの代償
今も村の人たちは、あの山には近づかない。
俺も二度と行くことはない。
祖父がしでかした“過ち”が、今もあの場所に残っている気がしてならない。
そして時々、夜になると家の外から足音が聞こえてくる。
ザッ、ザッ、ザッ……
まるで「次はお前だ」とでも言うように。
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