目次
不自然な遊び
ある日、姉の家へ遊びに行った時のことだ。
小学1年生の甥っ子・ハルキが、ひとりで玄関先の砂利をいじって遊んでいた。
「何してるの？」と声をかけると、ハルキはニヤッと笑って言った。
「埋めてるんだよ、隠さなきゃ。」
特に気にも留めず、家の中へ入った。
小さな"いたずら"の正体
数日後、姉から電話があった。
「玄関の砂利から、知らないボタンが出てきたのよ。」
古びたスーツのボタンで、誰のものかわからない。
ハルキに聞くと、またあの笑顔でこう答えたらしい。
「あれはおじさんのやつ。」
「おじさんって、誰？」
「夜に、ここで寝てたおじさん。邪魔だから、砂利で隠したの。」
しでかした"何か"
その話を聞いた瞬間、背筋がゾッとした。
姉の家は、昔から「夜になると玄関先で人影を見る」と噂されていた。
近所の人もたまに、「男の人が座ってるのを見た」と言っていたという。
ハルキはその人影と何かをしてしまったのだろうか。
砂利の下
翌週、気になった俺は姉の家を訪ねた。
玄関先の砂利は、妙に盛り上がっている場所があった。
冗談半分にそこを掘り返してみた。
土の中から出てきたのは、スーツの襟元についた名札。
それは、数年前に行方不明になった近所の男性の名前だった。
ハルキは、今も庭の隅で新しい場所に砂利を集めている。
「何してるの？」と聞くと、また笑いながらこう言った。
「次の人も、ちゃんと隠さなきゃ。」
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