夏休みのある日、久しぶりに中学時代の友達――タケシから連絡が来た。
「おい、今度の土曜ヒマ?うち遊びに来いよ」
懐かしい誘いに喜びながら住所を教えてもらい、指定された場所へ向かった。
しかし、着いた先は想像と全く違った。
そこにあったのは、窓ガラスが割れ、雑草が生い茂る完全な“廃屋”だった。
目次
【1. おかしい再会】
「場所、間違えたか?」
地図を確認しても、どう見てもタケシが教えてきた住所。
そのとき、玄関の方から彼の声がした。
「おーい、こっちこっち!」
見ると、ボロボロの引き戸の奥からタケシが顔を出していた。
「なんだよ、ずいぶん古い家だな」
と声をかけると、タケシは笑いながら「気にすんな、上がれよ」と手招きする。
中は埃まみれ、家具もほとんど倒れていた。にも関わらず、タケシは何も気にする様子がない。
まるで何年も前から住んでいたかのように、自然に振る舞っていた。
【2. 誰も知らない家】
その後、近所のコンビニで買い物をしていると、店員のおばさんが話しかけてきた。
「さっき、あの辺りを歩いてたよね?」
「ええ、友達の家に行ってたんです。」
「……あそこ、もう10年以上空き家のはずだけど。」
一瞬、寒気が走った。
慌ててタケシに連絡を取ろうとしたが、メッセージは既読にならず、電話も繋がらない。
【3. 真実】
気になって、実家の母にタケシのことを尋ねた。
「タケシ? あの子……もう5年前に亡くなったでしょ。交通事故で。」
信じられず、再度、あの廃屋を訪ねた。
玄関の引き戸には、朽ちかけた表札がかかっていた。
タケシの苗字。
埃だらけの床には、あの日自分たちが飲んだペットボトルが転がっていた。
封は、一度も開けられていなかった。
【4. 終わらない招待】
それからも、たまにタケシからLINEが届く。
「今度の土曜、また来いよ。待ってるから。」
行くたび、同じ場所、同じ笑顔。
友達の家は、確かに“廃屋”だった。
でもタケシは、そこにいる。今も。
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