目次
■1. あの店の餃子
仕事帰り、ふと立ち寄った裏路地の小さな中華料理店。
看板は色あせていて「手作り餃子」の文字だけが、かろうじて読めた。
空腹だったこともあり、特に期待もせず「焼き餃子」を注文。
5分ほどで運ばれてきた餃子は、皮が薄くパリッと焼かれていて、香りもどこか懐かしい。
一口食べた瞬間、思わず驚いた。
「……うまい。」
普通の餃子とどこか違う深みのある味、噛むたびにどこか懐かしささえ感じた。
気づけば無我夢中で完食していた。
■2.「特別な餃子」
会計のとき、店主らしき年配の男がにやりと笑った。
「うちの餃子は、他じゃ味わえない特別なものでね。気に入ったかい?」
俺は素直に「美味しかったです」と答え、店を出た。
その夜、家に帰ってから不思議なことが起きた。
眠る直前、耳元で誰かが囁いた。
「……たすけて。」
驚いて飛び起きたが、部屋には誰もいない。
(疲れてるのかな……)
その日は無理やり寝た。
■3. 消えた常連たち
翌週、あの餃子の味が忘れられず再び店を訪れた。
カウンターには数人の常連らしき客がいたが、どこか無表情だった。
店主は相変わらずニヤニヤしている。
ふと壁に目をやると、「常連のお客様ご紹介」という古びた写真が並んでいた。
そこに写っている人物の何人かは、今カウンターに座っている客とそっくりだった。
ただし、写真の日付は数年前のもの。
(同じ人たちが、何年も……?)
少し気味が悪くなり、店を出た。
■4. 餃子の中の“声”
その夜、また耳元で声がした。
「ここにいる、ここから出して」
翌朝、夢の内容が妙に鮮明に残っていた。
店のカウンターの奥、餃子の餡をこねるボウルの中で、無数の小さな顔がこちらを見上げていた。
そしてその日、ニュースであの店の名前を見た。
「行方不明者の多くが、あの中華料理店を最後に目撃されていた」という報道。
餃子の“特別な味”の理由を、ようやく理解してしまった。
■5. 今も耳元で
それ以来、餃子を食べるたび、決まって耳元であの声が聞こえる。
「……お前も、次だよ。」
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

