目次
最終電車を逃した夜
終電を逃した帰り道。
駅のそばにある地下道を抜ければ、少しは家まで近道になる。
街灯も少ない夜道より、地下道の方が明るいだろうと思って、俺は迷わず階段を降りた。
そのときは、何の違和感もなかった。
いつまで歩いても出口が見えない
地下道は、駅前の交差点をくぐって反対側へ抜けるだけの短いもの。
しかし、歩いても歩いても出口が見えない。
「こんな長かったか?」
途中ですれ違う人影も、ポスターも、いつもの景色のはずなのに、微妙に違和感があった。
特に、すれ違う人の顔が——どれも無表情で、目を合わせてこない。
そして同じ人物に何度もすれ違っている気がした。
看板の矛盾
壁のポスターが目に入る。
「この先 出口まで 70m」
安心して歩き続けると、また同じポスターが出てくる。
そこでもまた「この先 出口まで 70m」と書かれている。
まるで、ずっと同じ場所をループしているかのようだった。
地下道の出口で待っていたもの
足が重くなり、引き返そうと振り向くと——そこにも出口はなかった。
その瞬間、背後からポツリと声がした。
「ようこそ。ずっと待ってたよ。」
振り返ると、そこには最初にすれ違ったはずの男が立っていた。
目も口も、なぜか真っ黒に潰れていた。
次の瞬間、意識が遠のき——気づけば、駅のベンチに座っていた。
スマホを見ると、時間はまったく経っていなかった。
地下道に近づかない理由
それ以来、俺は二度とその地下道を通っていない。
後日、地元の噂を調べると、あの地下道では「帰れなくなる」怪談が昔から囁かれていた。
「出口まで70mと書かれたポスターが何度も見えたら、もう引き返せない。」
あの時、俺はギリギリで帰してもらえたのかもしれない。
……それとも、今いるこの場所が本当に元の世界かは、まだ分からない。
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