仕事帰りの夜道、街灯の少ない細い裏道を通るのが俺の日課だった。近道ではあるが、街の外れにあり、昼間でも人通りがほとんどない。
その日も同じ道を歩いていた。雨上がりでアスファルトが濡れ、足元を注意しながら歩いていたつもりだった。
ふと、足の裏に「ぐにゃり」とした妙な感触が伝わった。
硬くもなく、泥でもなく、何か柔らかいもの。
反射的に足元を見たが、何もなかった。
目次
【1. 何かを踏んだ感触だけが残る】
その瞬間は「落ち葉でも踏んだのか」と思った。
だが、数歩進むとまた同じ感触。
「ぐにゃっ。」
慌ててスマホのライトを照らしても、地面には何もない。ただ濡れたアスファルトが続いているだけ。
振り返ると、自分の足跡の横に見慣れない足跡が一組、濡れた地面にくっきり残っていた。
小さな子供の裸足の跡のようだった。
【2. 繰り返す違和感】
翌日も、同じ道を歩いた。
「ぐにゃっ。」
また何かを踏む感触。
そのまま歩き続けると、数歩おきに同じ感触が足元に伝わる。
だが目には何も映らない。
音もない。感触だけが確かに残る。
【3. 踏んだものの正体】
気味が悪くなり、この道を使うのをやめた。
ある日、地元の古い知人からこんな話を聞いた。
「お前、あの道通ったんだって? あそこ、昔は川だったんだよ。」
「川?」
「増水のたびに何人も子供が流されてさ。今でも、雨の日の夜は、その場所にいる子の上を踏んじまうことがあるって、昔から言われてるよ。」
【4. 今でも踏んでいる】
それ以来、その道は避けている。
だが雨の夜、別の場所でも時々感じる。
あの「ぐにゃっ」という感触を。
——踏んだのに、何もない。
だけどきっと、何かを踏んでいるのだ。気づかないだけで。
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