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【お焚き上げで燃やし損ねたもの】──供養しきれなかった話 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【古い人形の整理】

実家の片付けを手伝っていた美咲(みさき)は、押し入れの奥から埃をかぶった日本人形を見つけた。

ガラスケースに入ったその人形は、祖母が昔飾っていたもので、顔の表情がどこか生々しく、見ているだけで妙に落ち着かない。

「さすがにこれ、処分する?」

母と相談し、近くの神社で毎年行われているお焚き上げに出すことに決めた。

【お焚き上げ当日】

神社の境内には、古い人形や写真、御札などが山積みにされていた。

神主が清めの祝詞を唱え、火が入る。

炎が大きく燃え上がり、すべてが煙となって空へ昇っていくはずだった。

だが、火が弱まった後の灰の中で、あの日本人形の顔だけが無傷で残っていた。

【帰ってきた人形】

神主も「こんなことは滅多にないですね」と首をかしげ、もう一度火にくべたが、やはり人形の顔部分だけが焼け残る。

「変ですね……」

嫌な予感がしていたが、そのまま家へ戻ると——。

玄関に小さな足跡が泥でついていた。

家族は誰も泥だらけの靴で出入りしていない。

そして、押し入れを何気なく開けると——

燃やしたはずの日本人形が、またガラスケースに入ってそこに置かれていた。

【神社での再供養】

翌日、慌てて再び神社へ持ち込み、事情を説明すると、神主はこう言った。

「その人形、もしかして……
本当は供養を望んでいないのかもしれません。」

通常のお焚き上げでは対処しきれないものもある、とのことだった。

特別なお祓いとともに、神社で預かってもらうことになったが、神主が最後にこう付け加えた。

「これでおさまるといいんですが。
……もし、今夜また夢に出たら、知らせてください。」

【最後の夢】

その夜。

美咲は夢の中で、自宅の押し入れの前に立っていた。

扉を開けると、人形がこちらをじっと見上げてこう言った。

「私は、ここがいい。」

翌朝、再び押し入れを開けると——

ガラスケースに入った人形が、元の場所に戻っていた。



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