目次
【消えた患者の記録】
総合病院の夜勤に就く看護師の佐伯(さえき)さんは、ある日不思議な経験をした。
普段と変わらない夜勤中、巡回時間のアラームが鳴り、午前4時ちょうどに病室を一つひとつ確認していたときのこと。
206号室のベッドに、見慣れない男性患者が静かに寝ていた。
「新しい入院患者かな?」と思い、ナースステーションへ戻り、カルテを確認すると、その部屋は空室になっていた。
「記入ミスかな……?」と疑問に思い、同僚と再度部屋へ向かったが、そこには誰もいなかった。
【誰も知らないはずの顔】
その後、同僚や看護主任に相談したが、
「今夜はその部屋には誰も入っていないよ」と言われた。
それでも、確かに男性の顔を見た記憶は鮮明だった。
さらに奇妙なことに、その日の記録を見返すと、午前4時にナースコールの履歴が1件だけ残っていた。
部屋番号は206号室。
だが、ナースステーションの受話器は一度も鳴っていない。
【語り継がれる「4時の患者」】
後日、休憩中に先輩看護師にその話をすると、静かにこう返された。
「それ、多分4時の患者さんだよ。」
「……知ってるんですか?」
「昔から、4時ちょうどに入院患者のいない病室に"誰か"が現れるって噂、あるんだよね。」
よく聞くと、夜勤に入ったスタッフの多くが、同じ時間帯に同じ病室で"誰か"を目撃していた。
【患者が遺した言葉】
ある看護師は、その「4時の患者」に話しかけられたという。
『痛み止め、もう効かない。』
不気味に思い、すぐナースステーションに戻ったものの、やはりその病室には誰もいなかった。
記録を遡ると、数年前、同じ206号室で亡くなった患者の時間が"午前4時"だったことが分かった。
【いまも現れる】
それ以来、佐伯さんは夜勤で午前4時になるたび、無意識にナースステーションの時計を気にする癖がついた。
そして、今夜もまた4時を迎える。
ナースコールは鳴っていないのに、履歴には「206号室」——。
看護師たちの間では、これを「4時の患者」と呼び、静かに語り継がれている。
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