目次
夜の帰り道で
仕事が遅くなり、帰宅はいつも深夜。
その日も最寄り駅から自宅までの住宅街を歩いていた。
人通りはなく、街灯もまばらな静かな道。
あと数十メートルで家が見えるという時、
背後から誰かに「ねえ、ちょっと」と声をかけられた。
振り返ると——
誰もいない。
周囲には、俺以外の人影はまったく見えなかった。
声は続く
足早に歩き出すと、再びすぐ後ろで声がした。
「ねえ、どうして返事してくれないの?」
思わず振り返るが、やはり誰もいない。
声は、確かに耳元で囁かれるほどの距離から聞こえている。
怖くなり、一気に家まで駆け出した。
家の中にも
玄関を閉め、鍵をかけ、電気をつけてようやく落ち着いた。
しかし、ふとリビングの窓の外から——
「……開けて」
という声が聞こえた。
今度は、はっきりと女の声だった。
カーテンを少し開けて外を見るが、誰もいない。
だけど、窓ガラスには女の手の跡のような曇りが残っていた。
誰が声をかけてきたのか
その夜、まともに眠れなかった。
朝になって再度外を確認すると、
窓の外の地面に、裸足の小さな足跡が残っていた。
誰かがそこに立っていた証拠。
後日、近所の人から聞いた話によると、
数年前にその通りである女性が突然姿を消したという。
「最後に誰かと話していたらしいよ。
声をかけられて、そっちに行ったみたいだって。」
それ以来、俺は夜道で声をかけられても絶対に振り返らないようにしている。
——その声が、本当に人の声とは限らないから。
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