これは、僕が小学校2年生の夏に体験した、今でも思い出すたびにぞっとする話です。
目次
【1. 誰も通らない坂道】
実家の近所に、子どもたちの間で「行ってはいけない坂」と呼ばれている道がありました。
場所は普通の住宅街。だけど、その坂道だけはいつもどこかひんやりしていて、空気が重く感じたんです。
友達と遊んでいても、自然とその道だけは避けるようになっていて、大人たちも「あそこはやめときな」と口を揃えて言っていました。
でも、子どもって“ダメ”と言われると逆に気になるものです。
ある日、一人でその坂を降りてみることにしました。
【2. 坂の先にあった家】
坂を下りきったところには、昔ながらの平屋が一軒だけありました。
でも、妙だったのは、その家の窓という窓が全部真っ黒で、何も見えなかったこと。
しかも玄関の前に、制服姿の女の子がじっと立っていたんです。
僕と同じくらいの年齢に見えました。でも、なぜか妙に“古い感じ”の制服を着ていて、まるで昔のドラマの中の子どもみたいでした。
「……こんにちは」と声をかけたら、女の子は少し微笑んでから、小さく言いました。
「ようやく来たね」
僕は意味がわからず黙っていたら、その子が手を引いて家の中に入ろうとしたんです。
その時、後ろから母の声が聞こえました。
「〇〇! そこに入っちゃダメ!!」
振り向くと、母が全力で走ってきていて、気づけば女の子も家も、全部消えていました。
【3. 母の言葉】
家に帰ると、母が真剣な顔で言いました。
「小さい頃ね、私もその坂で同じことがあったの」
母も同じように、女の子に手を引かれそうになったというのです。
「でも、その家に入った子は……二度と戻ってこなかったって話、昔からあるのよ」
あの家も女の子も、坂を下った先にだけ存在している、“誰かを待っている何か”だったのかもしれません。
【4. 今でもある坂道】
大人になって実家に帰るたび、あの坂道はまだあります。
でも不思議なことに、あの時以来、どれだけ歩いても、坂の先に家は見えなくなりました。
あの体験が夢だったのか、現実だったのかは分かりません。
ただ一つだけ確かなのは、あの日、あの坂を降りなければ——僕の人生は違っていたかもしれないということです。
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