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夜の清掃婦が教えてくれた“空室”の秘密 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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これは私が都内のオフィスビルで深夜バイトをしていたときの、今でも忘れられない体験です。

大学生の頃、深夜帯の受付警備の仕事をしていました。人の少ないビルの警備は静かでラク、と思っていたのですが……ある夜から、妙な違和感を覚えるようになったんです。

【1. 深夜2時の清掃婦】

そのビルでは、夜11時を過ぎると清掃スタッフが一斉に退出します。

ところが、午前2時を過ぎた頃、廊下を掃除している“清掃婦”の姿を見かけたんです。

年配の女性で、青い作業服を着て、黙々とモップをかけていました。

「あれ、まだ残ってたのか……」と思って声をかけようとしたら、その人は軽く会釈をして、すぐに曲がり角の奥へと消えていきました。

【2. いないはずの人物】

翌朝、清掃会社に確認したところ、午前0時には全員が退勤しているとのこと。

「そんなはずないですよ。確かに2時過ぎに見ました」

そう伝えると、相手の声が少し硬くなりました。

「……それ、どの階ですか?」

「5階です。会議室のあるところです」

電話越しに一瞬、沈黙がありました。

「その階、今は全部空室で、清掃入ってません」

【3. モップの痕跡】

その夜も、私は出勤しました。怖さはありましたが、「気のせいだ」と思いたかったんです。

しかし、午前2時を過ぎたころ、またモップを引きずる音が聞こえ始めました。

廊下の奥を覗くと、昨日と同じように、青い制服の女性が背を向けて床を拭いていました。

ただ、よく見ると……モップを押しているはずの腕が途中で消えているように見えました。

【4. 伝えられた言葉】

勇気を振り絞って近づくと、その清掃婦は振り返りました。

顔は……よく思い出せません。ただ一言だけ、はっきりとこう言いました。

「この階に入ってはだめよ。あの会議室は……まだ、空いてないの」

そう言い残し、彼女は消えるように廊下の奥に溶けていきました。

【5. 真相】

後日、警備の先輩に話すと、彼は静かに言いました。

「……10年前にね、5階の会議室で清掃中の女性が倒れて、そのまま亡くなったことがあったんだ。夜勤中で気づくのが遅れて、朝まで……」

その会議室は今も使われていないまま。けれど、夜になると、あの清掃婦だけは変わらず掃除を続けているらしい。



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