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古アパートでの一人暮らし
これは、大学2年の春、都内の古い木造アパートに引っ越したときの体験です。
築40年近く、風呂・トイレ別というだけで選んだ激安物件でした。
多少の軋みや隙間風はあったけど、それ以外は特に問題はなかったんです。
——最初のうちは。
天井から音がする
夜中、ふと目を覚ますと、天井からカサ…カサ…という音がする。
ネズミかと思って無視していたが、日に日にそれは人の這うような音に変わっていった。
ある夜、音がぴたりと止まった直後、背中に何かの視線を感じた。
嫌な予感がして、ベッドの上で仰向けのまま、恐る恐る天井を見上げると——
そこに逆さまの顔が張りついていた。
壁と天井の境目に
顔は女のようだった。髪は乱れ、目だけが異様に開かれ、口は笑っているように裂けていた。
でもおかしいのは、重力に逆らって天井に貼りついていること。
目線が合ったとたん、その顔はスッと天井裏に吸い込まれるように消えた。
慌てて電気を点け、部屋中を確認しても誰もいない。
それ以来、毎晩決まった時間に、天井の同じ場所を見てしまう癖がついてしまった。
上の部屋は空室だった
管理会社に事情を話し、上階の住人について尋ねた。
すると、驚くことに「上は空室ですよ」と言われた。
「数年前に、女性の方が首を吊ったのですが……その事故以来、借り手がつかなくて」
まさか、とは思ったが、背中が冷たくなったのを覚えている。
最後に見たあの顔
引っ越しを決めた最終日の夜、荷造りを終えて最後の晩を過ごしていたとき。
また、あの音が天井から聞こえてきた。
そしてその日も、重力に逆らって天井に貼りついている逆さまの顔があった。
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