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弟切草の咲く家──見てはいけない“兄の秘密” 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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不気味な草の名前

これは、大学時代に知り合った友人・コウジの家で体験した出来事です。

ある夏休み、彼の実家に遊びに行く機会があり、都内から電車とバスを乗り継いで山あいの村に向かいました。

到着してまず目に入ったのが、玄関脇の小さな花壇にびっしりと植えられた奇妙な草。
細長い葉と小さなピンクがかった花。どこか棘のあるような佇まい。

「この草、なんていうの?」と聞くと、コウジは少し笑って答えた。

「弟切草(おとぎりそう)。兄が弟を切った伝説が名前の由来なんだってさ」

妙に印象に残る言葉だった。

家の“誰か”の気配

泊まったのは築50年以上の古い木造家屋。
夜になると、誰もいないはずの廊下から足音のような音が聞こえたり、
二階の部屋から話し声のようなものがかすかに聞こえてきた。

「上に誰かいるの?」と尋ねると、
コウジは少し黙ってからこう答えた。

「……兄貴の部屋。でも、もうずっと使ってない」

詳しく聞こうとしたが、彼はそれ以上話さなかった。

見てはいけないノート

翌日、昼間に家の中を散策していたとき、
ふとした拍子に二階の兄の部屋の戸が開いているのを見つけた。

何となく引かれるように足を踏み入れると、
埃をかぶった机の引き出しから一冊のノートが出てきた。

中には日記のようなものが書かれていて、
最後のページにはこう書かれていた。

「あいつが全部悪い。
弟のくせに、あいつだけが大事にされる。
弟切草は、よく効くってさ……」

背筋が凍った。

真実の一端

その夜、コウジにそっと聞いてみた。

「お兄さん……何かあったの?」

彼は少しだけ口を開いた。

「兄貴、俺が中学のときにいなくなった。
でも、誰も真相を知らない。俺も、怖くて何も言えなかった。
・・・・・・家にあった弟切草、毒草として知られてるんだよね。」

それ以降、二度と兄の話は出なかった。

あの草の意味

東京に戻る前、最後にもう一度玄関脇の花壇を見た。
弟切草は、変わらず風に揺れていた。

ただ、その中の一本だけ、まるで刃物のように鋭い葉をしていた。
まるで、何かを守るか、封じ込めているように。



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