目次
【地元にある何の変哲もない道】
地元に帰省した際、昔よく通っていた裏山の一本道を久しぶりに歩くことにした。
舗装されているけれど、車一台通れるかどうかの幅で、両脇には杉の木が立ち並んでいる。
高校時代は部活帰りにこの道を抜けて近道していた。
時間にして15分ほどの道のりで、周囲には民家もなく、いつも静かだった。
だけど、この時の帰省で通ったその道は、様子がどこか違っていた。
【道が終わらない】
入り口は昔と変わらず、道の雰囲気も懐かしいままだった。
けれど、5分、10分歩いてもなぜか出口にたどり着かない。
「あれ、こんなに長かったっけ?」
少しずつ不安になりながらも、スマホのマップを見ると、
GPSがぐるぐると回り続けて現在地を認識しない。
電波も微弱で、ネットも繋がらない。
そして、気づいた。
道の途中にある木の配置や、枝の形、落ちている石が、何度も同じように繰り返されている。
まるで“ループしている”ような感覚だった。
【戻ろうとした瞬間】
これはおかしいと引き返す決意をしたとき、
背後から“誰かが歩く音”が聞こえた。
振り返っても誰もいない。
けれど、足音は確かにこちらに近づいてくる。
枯葉を踏むザッザッという音。
心臓がバクバク鳴る中、必死で道を逆に戻り始めた。
【突然の出口】
戻る途中、木々の向こうに突然、見慣れた住宅地の景色が現れた。
さっきまであんな開けた場所は見えていなかった。
道を抜けた瞬間、スマホの電波が戻り、時計を確認すると、
入ったときからたった“7分しか経っていなかった”。
でも、体感では30分以上歩き続けていた感覚があった。
【その道の名前】
後日、地元の旧地図を調べてみると、あの一本道は昔から「戻道(もどりみち)」という地元の古い呼び名があった。
意味は、「戻れる時と、戻れない時がある道」。
誰が名付けたのかは分からないが、
小さな頃に祖父が一度だけ言っていたことを思い出した。
「あの道は、日が暮れてから入ってはダメだよ。
たまに、出てこれなくなる人がいるからね」
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