目次
違和感の始まり
これは、社会人3年目の春、本当に自分に起きたことです。
年度初めの忙しさも落ち着いてきた頃、ある朝、鏡を見ていてふと感じたんです。
「……あれ? これ、俺……だよな?」
もちろん、見慣れた顔。寝起きで少し浮腫んでいたけど、いつもの自分。
でも、“内側”が違う。
例えるなら、自分という器に、違う中身が入ってるような感じ。
自分を見てるのに、自分じゃない。
言葉にできない、その感覚が、それ以来ずっと消えません。
記憶と動きは自分なのに
仕事にはちゃんと行って、同僚と会話もする。
ミスもせず、予定もこなす。
でも、昼休みに食べたはずの昼食の味が思い出せない。
誰と話したのか、話してる最中から“他人の会話を見ているような感覚”がする。
それでも一日をちゃんと過ごせてしまうから、誰にも気づかれない。
夜になると、ふと、部屋の中の家具の配置が“正しいのに見慣れない”ように感じたり、 スマホの壁紙が、なぜその画像を選んだのか自分で選んだはずなのに思い出せない。
病院にも行ってみた
心療内科にも行きました。
先生は淡々と、「離人症の可能性もありますね」と言いました。
「自分の体や行動が、自分のものじゃないように感じる症状です。
でも意識や記憶が保たれているなら、様子を見ましょう」
診断名がついたことよりも、「ああ、やっぱり“自分が自分じゃない”って、変なんだな」と思い知らされた瞬間でした。
でも僕は、それが本当に脳の問題だけだとは思えなかった。
きっかけを思い出す
その感覚が始まった日。
実は、寝て起きた朝の“ある瞬間”に違和感が強かったんです。
その日、夜中に夢を見た気がします。
何も見えない真っ暗な空間で、誰かがずっとこう言っていました。
「お前の中、空いてたから、入ってもいいよね」
起きた瞬間は夢だと思っていましたが、それからです。
自分が“自分の中にいる”感覚が、少しズレたのは。
今、そしてこれから
この話をした相手は、誰も信じませんでした。
でも今日も、僕は「自分の顔をした何か」として、会社に向かっています。
ちゃんと笑えるし、話せるし、働ける。
でも、ふとした瞬間、内側から響いてくる声がある。
「今日も、うまくやってるね。借りてるだけだから、大切にするよ」
自分が自分じゃない。
それを感じ続けていても、他人から見れば「問題のない自分」が残っている。
それが、一番怖いんです。
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