——何気ない帰り道が、恐怖の入口だった
目次
■ きっかけは、夜の帰り道
その日、仕事が遅くなり、自宅最寄りの駅に着いたのは深夜0時過ぎ。
徒歩15分ほどの道のりをいつも通り歩いていた時だった。
川沿いの遊歩道を通りかかったとき、前方に真っ赤な服を着た人影が見えた。
赤いジャージのような上下に、真っ赤な帽子。
不自然に直立したまま、こちらを向いている。
「こんな時間にジョギング?」と思ったが、どこか違和感があった。
——その人、顔が見えなかった。
■ すれ違いざまの異常
怖くはあったが、気にしないふりをして通り過ぎようとした。
その時、すれ違いざまに一瞬だけ横目で見えたその“顔”が忘れられない。
顔が、真っ赤な布で覆われていた。
輪郭も表情も何もなく、まるで赤い袋をかぶったように。
しかも、その「顔」がこちらにぐにゃりと傾いて、追いかけてきそうな気配がした。
■ それから毎晩
それ以降、決まって夜10時を過ぎると、自宅マンションのインターホンに「ピンポーン」と鳴るようになった。
モニターには、誰もいない。
でも、画面の左下に一瞬だけ赤い“袖”が映る。
次第に、外を歩いていても、自分の後ろを歩く赤い影が増えていった気がした。
■ 警察にも相談したが
警察に相談しても、「その程度だと動けない」と言われただけ。
家族や友人にも話したが、誰も信じなかった。
ある晩、試しに赤い服を着て川沿いの道を歩いてみた。
すると、ふと反対側のフェンス越しにまったく同じ姿をした“赤い人”が立っていた。
そしてゆっくり口元が動いた。
「やっと、見つけた」
■ 今はもう、わからない
それからというもの、私は赤い服の人を見なくなった。
けれど代わりに、家の中の鏡の中にだけ、“赤い自分”が映ることがある。
無表情の赤い顔。赤い服。赤い目。
あの日すれ違った“赤い人”は——誰かに「移る」存在だったのかもしれない。
今、その人がどこにいるのかは、もう……私にはわからない。
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