目次
■1. 地元で有名な心霊スポットへ
これは数年前、大学の夏休みに地元へ帰省していた時のことです。
地元には「赤坂池」という、昔から“出る”と噂の心霊スポットがありました。
戦後まもなく、池に身投げした女性がいて、それ以来夜になると赤い服を着た女の人が現れる、と。
そんな場所に、幼なじみのショウとカズと3人で、深夜のノリで向かったんです。
暇つぶしのつもりでした。
ほんの軽い気持ちで。
■2. 池の奥に立っていた“赤い人”
ライト片手に池の周囲を歩いて10分ほど。
「マジでなーんも出ないな」と笑っていた時、
カズが急に立ち止まって、黙り込んだ。
「……あれ、誰かいない?」
ショウが指差した方向を照らすと、池の奥の木立の影に、人影が立っていた。
それは、真っ赤な服を着た“人”だった。
顔は見えない。背は低く、まるで小学生くらいの子どものようだった。
でもその場にいるはずのない異質な“赤さ”だった。
色というより、視界にじわりと染み込んでくる“気配”のような赤。
■3. 誰も、喋らなかった
3人とも、同時に言葉を失っていた。
体が動かない。目をそらせない。
その“赤い人”は、ゆっくりと顔をこちらに向けた。
……でもそこには、顔がなかった。
ただ、真っ黒な穴のようなものがあるだけで、
その穴の奥で、何かがうごめいているように見えた。
誰かが「帰ろう」と言ったのか、全員が一斉に背を向けて走り出した。
■4. 何も覚えていない“ショウ”
車に戻っても、ショウはひたすら無言で俯いていた。
そのまま3人で黙ったまま帰宅。
翌日、LINEでショウに「昨日すごかったな」とメッセージを送ると、
「え?なにが?」
という返事。
どうやらショウは、昨日の記憶がまるごと抜けているらしかった。
心霊スポットに行ったことも、赤い人を見たことも。
カズと俺だけが、あの夜のことを覚えていた。
■5. 忘れたほうが、いいのかもしれない
あれ以来、その心霊スポットには二度と行っていません。
ショウにはもう何も話さずにいます。
ただひとつ、どうしても忘れられないのが、
あの“赤い人”がこっちを見た瞬間の感覚。
まるで、
「ひとり、もらっていくね」とでも言っていたような──そんな気がしてならないんです。
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