将棋のタイトル戦を舞台に、挑戦者・米沢八段（坂東八十助）が立会人の大石（小林昭二）を“事故死”に見せかける倒叙ミステリ。初回放送は1994年5月11日／約46分、脚本は三谷幸喜、演出は河野圭太。柔らかな物腰で違和感を積み上げる古畑（田村正和）と、完全犯罪を構築する棋士との“読み合い”が光る名編です。
目次
あらすじ（ネタバレなし）
タイトル戦の第4局・1日目が終わった夜、米沢八段は立会人の大石を殺害し、浴室での事故死に偽装する。鍵となるのは、対局が「封じ手」で一区切りとなる将棋の作法。米沢は封じ手の用紙を白紙で封入し、その真意を問いただす大石を口論の末に襲う——。偶然同じ旅館に宿泊していた古畑は、送られた一手（“飛車”）の意味と行動の不自然さから、緻密な偽装の綻びをほどいていく。
見どころ
将棋×倒叙の融合：封じ手という“時間の区切り”を使った犯行設計が秀逸。将棋の作法がそのままトリックの核になる快感。
名優対決の緊張感：坂東八十助の端正な棋士像と、田村正和の微細な違和感提示が対話だけで局面を反転させる。
シリーズ的な位置づけ：シーズン1の中盤を飾る一編。1994年5月11日放送で、スタッフは脚本：三谷幸喜／演出：河野圭太という黄金布陣。
個人的感想
封じ手に自分の名前を書いちゃう古畑がおちゃめです。
犯人が戦う相手の棋士もなんか笑えるし、将棋の世界が極めて固く真面目に描かれる反面、節々のギャップに笑えました。
面白いかったです。
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ひと言レビュー
“封じ手の白紙”という一手が、プロの矜持と犯罪計画を同時に照らし出す。古畑の観察と会話で盤面がひっくり返る、シーズン屈指のロジック×心理戦です。
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