小気味よい台詞回しと“倒叙”の妙で日本のテレビ史に残る名シリーズ『警部補・古畑任三郎』。シーズン1第6話「ピアノ・レッスン」は、世界的ピアニスト・井口薫（木の実ナナ）が登場する音楽院殺人事件。葬儀で鳴り響くはずだった“レクイエム”が、古畑の推理を呼び覚ます一編です。初回放送は1994年5月18日（本編約46分）。脚本は三谷幸喜、演出は松田秀知。ゲストに中丸新将ほかが名を連ねます。
目次
作品データ
エピソード：シーズン1 第6話「ピアノ・レッスン」
放送日：1994年5月18日／本編約46分
脚本：三谷幸喜／演出：松田秀知
キャスト：田村正和、西村雅彦、木の実ナナ（井口薫）、中丸新将 ほか
あらすじ（ネタバレなし）
名門・塩原音楽学院。前理事長の葬儀を翌日に控え、レクイエムのリハーサル中に理事長・川合が急死――“心臓発作”と見せかけられたその死の裏で、世界的ピアニスト・井口薫が静かに指を動かす。葬儀当日、会場に響いたのは、なぜレクイエムではなかったのか。舞台上の“ひとつの違和感”を手がかりに、古畑任三郎が音楽と犯罪のインターバルを切り裂く。
見どころ
木の実ナナの圧倒的存在感：気高さと孤高さを同居させる犯人像。指先の所作、視線、沈黙が物語る“音楽家の矜持”に引き込まれます。
“音”と“時間”が鍵になる構成：レクイエムの選曲、舞台上の導線、リハーサルという設定が、巧妙な擬装と解体のリズムを生みます。
三谷幸喜×松田秀知の緊張感：台詞のテンポとカメラの間合いが、倒叙ミステリーの快感を最大化。シリーズの王道的面白さを堪能できます。
個人的感想
古畑任三郎の冒頭のコメントが本編の最後に深く刺さる作品です。
人に嫌われるものではないですね。
最終的には、逮捕されるだけでなく、自分のひきたかった曲もひけないという顛末。
なんとも言えない後味が残るお話です。
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芸術家の美学と倫理がせめぎ合う物語が好き
音楽（特にクラシック）を筋立てに織り込む倒叙ミステリーが見たい
“言葉の間”と“視線の駆け引き”で魅せる古畑節を味わいたい
“音を外した”瞬間に真相へ届く――。演奏会の静寂と推理の高鳴りが交差する「ピアノ・レッスン」、ぜひチェックしてみてください（PR）。
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