1996年2月7日放送（第2シリーズ第5話）。女流脚本家・佐々木高代（加藤治子）が妹でマネージャーの和子（絵沢萠子）を殺害し、自ら通報するという一見“自作自演”に見える事件を、田村正和演じる古畑任三郎が冷静に紐解いていく一編。ゲスト主演に加藤治子を迎え、三谷幸喜脚本の“人間の弱さ”をえぐる作劇が光る回です。
目次
作品データ（要点）
タイトル：「偽善の報酬」（古畑任三郎 第2シリーズ 第5話）
初回放送日：1996年2月7日（第2シリーズの中盤エピソード）。
本編尺：約46分。
脚本：三谷幸喜／演出：河野圭太ほか。
キャスト（抜粋）
田村正和（古畑任三郎）／西村雅彦（今泉慎太郎）
加藤治子（佐々木高代・犯人）／絵沢萠子（佐々木和子・被害者） ほか。
あらすじ（ネタバレ最小限）
売れっ子女流脚本家・佐々木高代は妹の和子と折り合いが悪く、金銭管理をめぐって衝突が絶えない。ある夜、台所で和子が鰹節を削っているところを“あるもので”殴って殺害し、金目当ての強盗に見せかけて現場を演出する――という事件が発生。現場に現れた高代は冷静に振る舞うが、古畑は高代の所作や“台所まわりの些細な痕跡”から徐々に矛盾を浮かび上がらせる。凶器の特定や“削った鰹節”といった生活の細部が、鍵になる展開です。
見どころ・評価ポイント
加藤治子の“女優力”が光る犯人像：高慢さと繊細さを併せ持つ脚本家のキャラクターが、終盤の告白や古畑との対話で際立ちます。
“凶器”をめぐる謎解きの焦点化：事件発覚後に古畑が真っ先に犯人を睨み、以後は“凶器発見”に推理を絞る構成。小物（料理や日用品）が鍵になる古畑流の観察力が堪能できます。
会話劇の中で炙り出される人間ドラマ：三谷脚本らしい人物心理の掘り下げと、静かなラストの余韻が印象に残る回です。
こんな人におすすめ
女性犯罪者の心理劇や“室内トリック”が好きなミステリーファン。
古畑の“細部を読む”観察力と、被疑者との静かな会話劇を楽しみたい人。
個人的感想
今泉さんがいじめられてます（笑
ちょっとかわいそうなくらい召使いとして扱われています。
そして、今回の犯人はちょっと常識なくて、頭も弱くて、自分で自分の首をしめていく感じです。
犯人が、哀れにも見えてきます。
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まとめ
「偽善の報酬」は、“金”と“姉妹の確執”という人間ドラマを核に据えつつ、古畑の観察眼で次第に真相が明かされていく作品です。加藤治子の重厚な演技と、細やかな小道具トリック（“凶器”をめぐる仕掛け）が印象に残る回。
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