『サラリーマンZ』の「オフィス移転」パートは、パンデミックで崩れた日常の中で“会社という組織”がどう機能するかを極限状況で問う重要章です。前山田雄作が提案する移転先「NEO新橋ビル」をめぐり、スピード重視派と安全重視派の対立、移動中の犠牲、そして移転後に待ち受ける新たな脅威――これらが凝縮された緊迫のエピソード群になっています。
目次
あらすじ（移転パートの流れを簡潔に）
未知のウイルス流行で秩序が崩れた状況下、タケフク（社名）が“新オフィス確保”を決断。前山田の提案した「NEO新橋ビル」へ移転を目指すことになり、移動方法を巡って社内が二分されます。移転は単なる拠点移動ではなく「誰を救う／誰を置いていくのか」を選ぶ倫理的ジレンマの連続であり、道中では死線をくぐり抜ける場面、到着後も開かない扉や内部での新たな脅威に直面します。非常事態が“出社ルール”や“仕事の意味”をどう揺るがすかが核心です。
見どころ
「スピード重視 vs 安全重視」の対立構図
移転の方法選定が物語の軸になり、意思決定の是非がそのまま生死に直結します。読者はどちらの価値観に共感するかで感情移入が変わる設計です。
“ビジネスマン目線”のサバイバル描写
会議でのロジック、役職に基づく命令系統、業務の割り振り……サバイバル描写が単なる暴力シーンに終わらず「働き方の思想」を伴っているのが本作の特徴。サラリーマン経験のある読者ほど刺さる展開です。
移動〜到着後の不条理な試練
ただ辿り着けば終わり、ではない。道中での損失、到着してから開かない扉や内部の“もう一つの困難”が続き、緊張感を途切れさせません。演出は短編的なテンポで効率よく畳み掛けられます。
キャラクターの“仕事観”が試される瞬間
前山田の矜持、桐谷ら若手の合理性、現場の層の反応――個々の意識の違いが命運を分け、読後に「自分ならどうするか」を考えさせられます。
個人的感想
桐谷と前山田の対立が面白いです。
どちらの言い分もよく分かるって言うのが。
ちょっと桐谷が悪そうな顔に見えちゃうのがあれですが、行っていることはまともだと思います。
そのうち、この二人がタッグを組むことがありそうな気がして、わくわくです。
そして、大矢部のキャラが好きだな。
でも、移転の際にはかなり犠牲者がでます。
それぞれ、なんか変な漫画なのにちょっと感動なんですよね。
面白い漫画です。
まとめ
オフィス移転編は「サバイバル×労働哲学」を読みたい人に最適。単なるゾンビ・パンデミックものではなく、組織で働くことの意味や意思決定の重さをエンタメとして噛み砕いてくれます。
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